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2019-05-13

東てる美さんが、手術後の抗がん剤を止めたことの是非

早期がんで手術や放射線で取りきれたとしても、目に見えない細胞レベルのがんは残っています。そこから再発や転移に至るかどうかは、運ではなく免疫の状態で決まります。

抗がん剤投与後から耳鳴り、味覚障害、脱毛
女優の東てる美さんは昨年、肺腺がんと診断され、手術を受けています。当初はステージ1Bでしたが、周辺のリンパ節を郭清して調べたところ、そのうちのひとつにがんが見つかったのでステージ2Bに。いずれにしても早期であり、手術で切除可能ながんでした。手術後、再発や転移に備えて、抗がん剤の投与をはじめたのですが、2クール目からは耳鳴りや味覚障害、脱毛に悩まされ、抗がん剤を止めてしまいました。止めた背景には東さんの母親もがんになり、つらい副作用に耐えながら、抗がん剤を続けたものの、1年2か月後には亡くなったという後悔もありました。

綺麗に切除出来たように見えても、がんは残っている
東さんの肺腺がんは手術で完全に切除出来ています。問題はリンパ節にも転移していたように、どんなに早期のがんであっても、細胞の単位で散らばっている可能性があります。抗がん剤はこうした細胞の単位で散らばったがんを攻撃ために、手術後に投与されるのです。とはいえ、抗がん剤とて全てのがん細胞を排除出来るわけではありません。がん細胞は正常細胞よりも盛んに分裂することを利用し、分裂中の細胞のDNAを傷害して破壊するのが抗がん剤です。従って、分裂していないがん細胞は生き延びます。特に再発や転移のきっかけになるがん幹細胞は、なかなか分裂しません。

がん克服の鍵は運というより免疫次第
東さんはQOLを重視して、抗がん剤を止める選択をし、健康的な生活を送るよう努力しています。そして、再発や転移は運任せということですが、完全に切除出来たがんであれば、再発や転移を防げるかどうかは、運というより免疫次第です。体内の異物を迅速に排除する免疫が、万全に機能していれば、再発や転移のリスクはぐっと下がります。健康的な生活は免疫を活発にしますが、可能であれば免疫を上げるような治療を組み合わせていうべきでしょう。

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