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2018-10-22

オプジーボを自由診療で使うリスク

本庶佑氏のノーベル賞授与でまたオプジーボが注目され、保険診療で使えない患者の中でも使いたいという方が出てくるのではないでしょうか。

オプジーボは全てのがんに使えるわけではない
本庶佑氏のノーベル生理学・医学賞受賞でオプジーボがまた注目されています。本庶氏の免疫チェックポイント「PD-1」に関する研究によって、従来の抗がん剤とは全く作用機序の異なるオプジーボが生まれました。がん患者の中には是非、オプジーボを使ってみたいという方がいるのではないでしょうか。オプジーボは現在、7種類のがんに保険適応になっていますが、全てのがんに使えるわけではありません。また、進行の度合いによっても使えない場合があります。

オプジーボは副作用に対処出来る環境で使うべき
一部、自由診療を行う医療機関では、保険診療ではオプジーボを使えない患者に対して、オプジーボを使うところがあります。この場合、懸念されるのは副作用に対処出来るかどうかです。オプジーボは、がん細胞がT細胞にかけたブレーキを緩める働きがありますが、T細胞は暴走すると自己免疫疾患を起こす免疫細胞でもあります。副作用として起こるのは、間質性肺炎や重症筋無力症といった生死に関わる重篤な症状です。しかも、副作用が起こる割合は約1割ですから、重篤な副作用に対処出来るだけの設備や人員の整った医療機関で使うべきでしょう。

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