医学的に考えれば、がんは排除すべき対象ですが、排除することが患者の目指すゴールではありません。
「全身がん」でも仕事を続けた樹木希林さん
高須克弥医師が「全身がん」であることを公表し話題になっています。また、先日亡くなった女優の樹木希林さんは、5年前に全身にがんが転移していることを明かしています。高須医師の詳しい病状はわかりませんが、美容整形外科医として以前通りに手術をこなし、慈善事業などにも積極的に取り組んでいます。樹木さんも最近まで映画出演するなど、全身にがんが転移した患者とは思えない生活を送っていました。
がんをなくすことが治療の目的ではない
医学的にはがんは排除すべき対象です。標準治療の柱である手術・放射線・抗がん剤は、がんを対象として切除、縮小することを目的としています。しかし、治療とはがんをなくすことではなく、患者の症状を和らげ、長く生きさせることです。治療の副作用でかえって余命が短くなるという本末転倒な話がありますが、どうしてもとりきることが難しいがんであれば、大きくなったり転移したりしないように上手につきあっていくことは、ひとつの選択肢といえます。余命宣告されるような末期がんであっても、長い間、生き延びている方の多くは、がんと共存するような考え方が出来ていることが多いようです。
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