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2018-05-18

腫瘍溶解ウイルス製剤は免疫系の治療と好相性

がんをウイルスで攻撃する治療の開発が進んでいますが、仕組みから考えれば、免疫系の治療とは好相性といえます。

がん細胞にのみ感染するウイルス
がん細胞のみに感染して破壊する腫瘍溶解ウイルス製剤の治験が進んでいますが、背景には近年、遺伝子改変の技術が進み、ウイルスを正常細胞には感染しないような工夫が可能になったことがあります。この腫瘍溶解ウイルス製剤は免疫系の治療と相性がいいと考えられています。がん細胞がウイルスに感染すると、免疫が刺激されます。また、ウイルスに感染したがん細胞が破壊されると、そこで放出される物質を目印(抗原)にして、免疫細胞ががん細胞を攻撃するようになるからです。

分子標的薬も免疫系の治療のひとつ
免疫系の治療にはがん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを解除する免疫チェックポイント阻害剤や、保険適応ではありませんが患者の免疫細胞を体外で強化して戻す免疫細胞療法があります。また、欧米では抗がん剤よりも主流となっている分子標的薬は、がん細胞特有の物質を目印に作用し、増殖を抑える働きがありますが、多くはADCC活性といって免疫細胞を刺激する性質を持ち、それによってがん細胞を攻撃するので、免疫系の治療といえます。

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