オプジーボが米国で転移性大腸がんの治療薬として米国のFDAから承認されました。
様々ながんに対してオプジーボの治験が行われている
保険適応がどんどん拡大していく免疫チェックポイント阻害剤ですが、転移姓大腸がんの治療薬としてFDA(米国食品医薬品局)から承認されました。対象となるのは転移性大腸がんのうち、変異した一部のがんで、転移性大腸がんの約5%を占めます。小野薬品工業とオプジーボを開発したブリストル・マイヤーズスクイプでは、固形がんから血液がんまで様々ながんに対してオプジーボの治験を行っており、オプジーボ単体だけでなく他の治療薬との組み合わせで患者ひとりひとりに最適な治療を行うことを目指しています。
オプジーボでがん細胞が免疫細胞を邪魔出来なくなる
がん細胞は免疫細胞の攻撃から逃れるため、様々な手段を駆使します。そのひとつとして免疫細胞のひとつであるT細胞のPD-1という免疫チェックポイントに、がん細胞の発現するPD-L1が結合することで攻撃出来なくしてしまいます。オプジーボはこれを防ぐために、PD-1に結合する抗体です。PD-L1による邪魔がなくなり、T細胞が本来の働きを回復すると、がんを攻撃出来るようになるわけです。
異なる免疫チェックポイント阻害剤を併用するメリットも
オプジーボは我が国では悪性黒色腫の治療薬として保険適応となり、その後非小細胞肺がん、腎がんなどに適応範囲が拡大されました。作用機序から考えれば、PD-L1を発現しているがんであれば、同様に効果は期待出来ます。また、免疫チェックポイント阻害剤はオプジーボだけではありません。同じPD-1に対する抗体医薬品ではキイトルーダがあります。国内では未承認ですが、PD-L1に対する抗体医薬品も治験が行われています。また、ヤーボイはCTLA-4に対する抗体です。作用機序によってはこれらの幾つかを組み合わて使うことのメリットが考えられます。これまで抗がん剤が主流であった我が国の抗がん剤治療ですが、オプジーボの登場でやっと免疫に光が当てられるようになりました。今後、この分野はさらに多くの新薬が登場するでしょう。
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