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2020-08-05

第一三共とアストラゼネカが、抗体薬物複合体で新たな提携


日本初の新薬がメガファーマとの提携で、世界に展開されます。

分子標的薬と抗がん剤がお互いを補完する新薬
抗体薬物複合体は、抗体(分子標的薬)と既存の抗がん剤を結合させ、双方を補完する新たな製品です。分子標的薬は、がん細胞に特異的な蛋白質を目印に作用し、その増殖を抑制します。効果は穏やかですが、正常細胞への影響が少ないというメリットがあります。既存の抗がん剤は、がん細胞を直接傷害しますが、分裂中であれば正常細胞でも攻撃するため、重い副作用があるという短所がありました。このふたつを結合させ、抗がん剤の攻撃力をがん細胞を狙って発揮させるのが抗体薬物複合体です。

がんの新薬開発コストは数千億円
第一三共はがんの領域に進出し、この抗体薬物複合体に注力しています。既にエンハーツが乳がんに対して保険適用となっており、海外においてはメガファーマの一角である英国のアストラゼネカと提携して、世界での販売を開始しています。抗体薬物複合体についてはさらなる製品の開発も進んでおり、肺がんや乳がんの治療薬として治験を続けているDS-1062についても提携を発表しました。日本を除く全世界を対象に、利益とコストを折半し、第一三共は製造・k供給を行います。がんの新薬開発コストは昨今、高騰しており、全世界での展開には数千億円が必要になります。こうした投資が出来るのはメガファーマになるため、こうした提携は今後も続くことでしょう。

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