病気によって栄養失調となった結果、全身が衰弱していくことを悪液質といいます。特にがんにおいてはがん細胞が免疫を攪乱しようとして、全身に慢性的な炎症を引き起こす際に、炎症性のサイトカインを大量に発生させ、そのために筋肉中の蛋白質を分解します。また、炎症によって消耗すると、蛋白質に加えて脂肪も分解されます。こうして衰弱に拍車がかかっていくのです。こうして血行がスムーズでなくなり、全身の臓器の機能が低下し、様々な病気を併発した結果、死に至ります。極論すればがんという病気で死ぬことはありません。この悪液質に至らないようにするにはどうするか、悪液質をどうコントロールするかが、進行がんの治療においては重要なテーマになっています。
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