がん細胞が出来る原因の6割以上は、誰にでも起こり得る遺伝子の複製ミスであることが、米国ジョン・ホプキンス大学のグループの研究で明らかになりました。
環境や遺伝の面で問題がなくてもがんになる
がんという病気のきっかけは、ひとつのがん細胞が生まれることです。原因としてはまず環境要因です。煙草と肺がん、ピロリ菌と胃がん、肝炎ウイルスと肝がんの相関関係ははっきりしています。次に挙げられるのが遺伝的な要因。そして、これらの要因がないにもかかわらず、がんになる方がいます。米国ジョン・ホプキンス大学のグループが、がん細胞が生まれる原因を、32種類のがんについて分析したところ、環境要因は29%、遺伝的要因は5%、そして残りの66%は、細胞が分裂する際のエラーが要因であることがわかりました。特に前立腺がんや脳腫瘍では9割以上がこの遺伝子の複製ミスで発症しています。
誰でもがんになるのだから、検診は大切
ピロリ菌の問題が周知されて、対策が進み、胃がんの罹患数が改善したように、生活習慣や環境で対策の出来るがんはたくさんあります。これに対して遺伝子の複製ミスは誰にでも起こること。誰でもがんになるリスクは避けられないということです。何より大切なのは検診による早期発見、そして早期の治療です。そして、免疫が万全であれば、がん細胞は生まれた時点で、すぐに排除されます。しかし、環境や体調、加齢などで免疫が低下していると、がんという病気の芽を摘むことが出来なくなるのです。体温を上げたり、ストレスを軽減したり……免疫を低下させないような生活を心がけたいものです。
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