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2017-02-15

インターネットサービス大手の楽天、がん光免疫治療に参入

楽天の三木谷浩会長兼社長はがんの光免疫治療に参入することを明らかにしました。資金力のある異業種だからこそ障壁の多い医療の世界で期待したいことがあります。


がん細胞だけを攻撃する光免疫治療
2月13日、インターネットサービス事業を展開する楽天の決算発表において、三木谷浩会長兼社長はがんの光免疫治療に参入することを明らかにしました。既に一部で話題になっている光免疫治療は、米国国立衛生研究所(NIH)の小林久隆氏らのグループが研究、開発している治療法です。抑制されている免疫を正常にすることで、正常細胞にダメージを与えることなく、がん細胞だけを攻撃します。副作用の心配がない上、現実的な費用で受けられるといわれており、実用化への期待が高まっています。

がん医療は年間100万人以上大きくなる市場
2000年に設立された楽天は、インターネットの急速な普及を背景に成長し、今回の決算では連結売上7819億円という大企業になりました。当初はECモールを中心にして収益を上げていましたが、様々な分野に積極的に進出し、現在ではオンラインでの株式販売や金融で利益の半分以上を稼いでいます。がんは我が国だけでも年間100万人以上が新たに罹患しています。また、標準治療では完治出来ないう現実が明らかになっている中、がん治療は新たな市場として有望と思われたのでしょう。

我が国でも光免疫治療を一気に普及させてもらいたい
我が国の医療の基本は保険診療、がんにおいては標準治療です。保険診療は誰もが平等に医療サービスを受けられる反面、保険適用になるまでには大きなハードルを越える必要があります。画期的な治療が生まれても、保険適用になるまでには莫大な費用と長い時間をかけて治験を行い、エビデンスを集める必要があります。ベンチャー企業にはそこまでの体力はありません。楽天という大企業であれば相応の投資は可能でしょう。また、光免疫治療が開発されている米国で事業化した後、国内に持ち込んで、一気に普及させるくらいを期待したいところです。自由診療であっても現実的な費用であれば、多くの患者が救われる可能性が生まれます。

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