専門的ながん医療を行い、地域での連携の拠点となるがん診療連携拠点病院は、全国に420以上あります。がんと診断されたり、がんの疑いのある方は、このがん診療連携拠点にかかればよいのでしょうか。
がん診療連携拠点病院をハブに地域で連携
2007年に施行されたがん対策基本法では、地域や病院によって患者が受けられる治療に差がないよう、体制が整備されました。そして、専門的ながん医療を提供する役割は、420以上のがん診療連携拠点病院が担っています。これらの病院はがん治療において地域のハブとしても機能します。専門的な治療についてはがん診療連携拠点病院、そして症状や治療が落ち着いた後は地域の医療機関にかかるというような使い分けを目的としています。
がん患者が増加し、専門病院だけでは対応出来ない
がん患者は年々増加しています。また、かつては、がんは治らない病気だったのが、医療の進歩で治療から後の時間が長くなりました。がん診療連携拠点病院という制度が生まれたのは、かつてのように検査から治療、緩和ケア、看取りとひとつの病院で完結することが難しくなったことが背景にあります。お近くのがん診療連携拠点病院は、国立がん研究センターの運営するWEBサイト「がん情報サービス」などで調べることが出来ます。また、かかりつけの医療機関で紹介状を書いてもらうことも可能です。
標準治療しか受けられないなら、進行がんの治療においては不十分
早期がんであればがん診療連携拠点病院などを活用し、初期の段階で適切な治療を行えば、標準治療で完治する可能性は大きいといえます。問題は進行がんです。こうした病院は原則、保険診療、標準治療の中で治療を考えます。しかし、進行がんにおいては標準治療だけでは延命しか望めず、限界があることは明らかです。早期がんを治療したにもかかわらず、症状が進行してしまったり、発見された時には既に進行がんであった場合は、適切な自由診療も選択肢に加える必要があります。免疫細胞療法など自由診療を行う医療機関で、自分に合った治療を設計することを考えましょう。