がん治療が長引けば、経済的にも苦しくなります。有給休暇を使ってしまえば、収入もダウン。そんな時に助かるのが健康保険の傷病手当金です。
治療で休んだら、まずは有給休暇を
がんとの闘いは長引くことが多くなります。特に頭が痛いのが、治療に伴う収入の減です。とはいえ、会社などに勤めている方の場合、様々な制度を利用することが出来ます。使える手段は使うことで、少しでも負担を減らし、治療に専念したいものです。労働基準法は有給休暇を設けることを定めています。有給休暇を取得する際の目的は自由ですから、病気や怪我の治療でももちろん可能です。有給休暇を利用する限り、収入が減ることはありませんから、まずは残っている有給休暇を取得することです。前年度に消化出来なかった分の有給休暇を繰り越すことを認めているところもあります。
健康保険には傷病手当金制度が
問題は有給休暇を使い切ってしまった時です。当然のことながら働かなければ収入は減ってしまいますが、意外に知られていないのは、健康保険に加入していれば、傷病手当金をもらえることです。病気や怪我3日以上連続して休んだ場合、4日目から給付を受けることが出来ます。最初の3日間には有給休暇を充当してもかまいません。支払われる金額は標準報酬日額の3分の2になります。期間は1年6箇月で、健康保険に加入していた期間が1年以上あれば、退職した後も継続して受給することが出来ます。
民間の保険は契約内容を理解して
最近では様々ながん保険や医療保険が商品になっています。2人に1人ががんになる時代ですから、こうした備えは不可欠になりつつあります。しかし、民間の保険はあくまでもビジネスであり契約です。どんなに大変な状況になっても、契約から外れていれば、保険金は一切もらえません。例えば傷病手当金は治療のために働けなければ在宅であっても支払われますが、多くの医療保険は入院しなければもらえないのです。民間の保険については契約をきちんと確認して、本当に自分に役に立つのかどうかを把握しておくべきですし、困った時には公的な制度を利用出来ることを忘れずにいましょう。
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