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2016-07-01

がんになったらどれだけかかるか?

お金がん治療にかかる費用は、手術や入院のための医療費だけではありません。仕事を休んだり、治療が続いたりすることも考慮しておきましょう。

がんは治療も支出も長期戦
がんといえば大病。手術や入院となると、多額の治療費がかかるというイメージがあります。また、入院中はもちろん、その後の体調次第では長期にわたって仕事を休む必要があります。ただでさえ病気で不安なところに経済的な心配ものしかかってくるというわけです。では、実際にがん治療にかかる費用を調べてみましょう。

高額医療費制度で自己負担額に上限
全日本病院協会「疾患別の主な指標 2013年」では胃がんの患者は平均18.8日の入院となり、3割負担で29万2518円の医療費になります。但し、健康保険には自己負担額に上限を設けた高額医療費制度があります。70歳未満で標準報酬月額28万円~50万円の方だと8万100円+(医療費-26万7000円)×1%。胃がんだとすると実際には8万円強の支払になるわけです。

差額ベッド代などは自己負担
大病のイメージのわりに医療費はかからないと思われた方がいるかもしれません。とはいえ、治療にかかるお金はそれだけではありません。少人数部屋を利用した場合の差額ベッド代、食事療養費の負担分、TVの視聴代や新たに買い求める日用品の費用は、健康保険の適用外ですから、全額を支払わなければなりません。先進医療の技術料、薬価基準収載前の承認医薬品や保険適用前の医療機器を使用した際の費用も、当然ながら全額かかってきます。

自由診療と保険診療は同時に行えない
保健診療ではなく自由診療を希望した場合には、当然ながら医療費の全額負担となり、数百万円、あるいはさらに高額になることが珍しくありません。また、自由診療を行った場合、同じ医療機関では保険診療は行えず、本来であれば健康保険適用となる部分の治療においても、医療費は全額負担となります。

給与の減額や交通費なども考慮して
そして、一番問題なのはがんは一度の手術で済む病気ではないということです。手術による入院の後、抗がん剤や放射線による治療を続ける場合は、さらに医療費がかかります。仕事を休むことで生じる給与の減額や、通院のための交通費……様々な要素を考慮して、がんになったらどれだけかかるかを考えなければいけないでしょう。

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