toggle
2016-07-21

水素水は全く効果がないのか

91029745健康にいいということで水素水を愛飲されているがん患者さんは少なくないと思います。一時のブームから一転、最近では効果の真偽が話題になっています。実際のところ、どうなのでしょうか。

大手メーカーが「水素水に効果はない」
成人病や老化を防ぐ、美容によい……とブームになった水素水ですが、このところ、風向きが一変し、効果は疑わしいと、批判の対象になっています。先日は大手の飲料メーカーが水素水に健康増進効果はないというコメントを出し、さらにその流れが加速しています。とはいえ、水素水を愛用して健康になったという根強いファンがいることも確かです。実際のところはどうなのでしょうか。

水素は強力な抗酸化物質
水素が体によいとされる根拠は、体内の活性酸素を中和する働きです。私たちの体内では様々な負荷──疲労、ストレス、ウイルスや細菌などの感染、飲酒、喫煙などの影響で酸素が活性酸素に変化します。この活性酸素は非常に不安定な状態であり、細胞を損傷させ、病気や老化を招くとされています。水素はこの不安定な活性酸素の原子と結合することで、酸素と水に変化させ無毒化するというわけです。活性酸素の存在が知られるようになって以来、これを無毒化する物質(抗酸化物質)の研究が進みましたが、よく知られているポリフェノールやビタミンCと比較しても、水素の抗酸化力は優れているようです。

実験と日常生活では条件が異なる
水素が活性酸素を中和することはわかっています。とはいえ、それは諸々の条件が整った実験の上での話です。どれくらいの量を、どれくらいの期間、どのような形式で摂取するのか、あくまでも嗜好品に過ぎない水素水で、同じ環境を実現するのは難しいでしょう。市販の水素水や水素水の生成器で作った水を飲んだからといって、それが健康に大きく影響することはないと思われます。

水素水にも製品によって質の違いが
では、水素水を飲むことに全く意味がないかといわれればそうではありません。清涼飲料水程度の価格で売られている製品はともかく、相応の研究・開発を重ねて、長い販売実績がある製品の中には、明らかに普通の水との差を実感出来るものがあることは確かです。良心的に製品を作り続けてきたメーカーにしてみれば、水素水全てを過剰に持ち上げられ、急に手のひらを返されたようなものですから、迷惑な話です。

Young couple are drinking delicious water
体によいと思えば積極的に
明らかに水の味わいが変わる、お茶の出がよい……。その程度であっても日々何リットルもの量を飲むのが水です。成人の体は6割が水で出来ているので、良質で細胞に浸透しやすい水にすることで、体の状態はよくなることは考えられます。あくまで嗜好品と考えて、価値があると思えば飲めばよいし、必要がないと思えば飲まなければいいだけのこと。とはいえ、がん患者の闘病は総力戦、長期戦です。体によいことなら積極的に取り入れたいものです。
Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事