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2020-12-10

BMSのCAR-Tが多発性骨髄腫における臨床試験で良好な結果


患者のT細胞の遺伝子を改変するCAR-Tは、様々ながんのタイプに応じて開発が進められています。

多発性骨髄腫に対する全奏効率76%
大手製薬会社のBMSなどが臨床試験を進めているB細胞成熟抗原を標的としたCAR-Tが、多発性骨髄腫の全奏効率76%(そのうち完全奏効は39%)と良好な結果であったことが発表されました。免疫細胞の一種であるT細胞は、数の上では多数を占め、培養も容易ですが、様々なタイプがあり、目の前のがん細胞を攻撃する確率は極めて低いという問題があります。そこで、患者自身のT細胞を採取して、遺伝子を改変し、がん細胞を認識し易くしたものがCAR-Tです。これを培養し、再度患者の体内に戻すことで、がん細胞を攻撃させます。T細胞はがん細胞をがん細胞として認識して攻撃するわけではなく、細胞表面に発現した分子を目印に攻撃します。遺伝子をどう改変するかで、様々な分子を目印に出来るので、様々なタイプのがんに対応出来るわけです。既に国内でも保険適用になっているキムリアは、B細胞ががん化した際、特異的に発現するCD-19を標的にします。血液のがんには様々なタイプがあり、それぞれに特化した治療が必要なので、今後、多くのタイプのCAR-Tが開発されるでしょう。

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