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2020-09-18

希少がん、小児がんを克服するがんゲノム医療の可能性


標準治療が確立されていないがんでは、治療を探すのに苦労します。

希少がんや小児がんは、症例が少ない
希少がんは、年間に新規に診断される数が6未満のがんのことです。また、年間に100万人以上の方が新たにがんと診断される中、小児がんを発症するのは、年間で2000人程度。標準治療は、たくさんの症例による治験を通じて効果と安全性が検証されています。従って、希少がんや小児がんにおいては標準治療が確立されておらず、治療の方針を決める段階で難儀することが多いのです。がんによっては手術をするだけで、浸潤や転移が疑われるにもかかわらず、標準治療では抗がん剤などの化学療法が行われないことがあります。

部位ではなく遺伝子の変異で治療を選択
がんゲノム医療は、がんが発症する原因である遺伝子の変異、即ちがんの性質を明らかにすることで、それに応じた治療を見つけ出すのが目的です。標準治療は部位ごとにガイドラインが定められており、希少がんや小児がんはその中で治療が見つからなくても、遺伝子の変異を手掛かりにすることで、有効な治療が見つかることがあります。がんの新薬は、がん細胞の遺伝子の変異を目印に作用する分子標的薬です。また、一般的ながんにおいても患者が異なれば、性質は様々です。ガイドラインに定められた治療では効果がないことがあります。そのような場合でも遺伝子の変異という観点で治療を選択することで、効果が出る場合があります。因みに分子標的薬「キイトルーダ」は、特定の遺伝子変異があればがんの部位を問わず保険適用になっています。

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