toggle
2020-06-25

がん抑制遺伝子の働きを阻害する蛋白質を特定

遺伝子の異常が積み重なると、細胞はがん化していきますが、それを修復し、がんの発症を防いでいるのががん抑制遺伝子です。

がん細胞の多くでがん抑制遺伝子が機能していない
がんは、細胞が分裂する際、遺伝子が正常にコピーされず、異常な細胞が作られ、それが積み重なり、大きな腫瘍になった結果です。しかし、遺伝子にはそのようなコピーミスを修復する仕組み「がん抑制遺伝子」があり、修復が出来ない場合は異常な細胞を自然死に誘導します。がん化する細胞の多くではこのがん抑制遺伝子が異常を起こしています。しかし、がん抑止抑制遺伝子が正常に機能していても、がん細胞の増殖が起こることがあり、そのメカニズムの解明が急がれていました。同志社大学のグループは、がん細胞の遺伝子情報を分析し、大腸がんなど多くのがんではNRF3という蛋白質が増えていることに着目しました。このNRF3について調べると、がん抑制遺伝子が作る蛋白質を分解する酵素を活性化させることで、働きを抑制していました。NRF3を10倍にしたヒトのがん細胞を、マウスに移植したところ、腫瘍が大きくなることも確認しています。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事