2025-03-10
遺伝子パネル検査が悪性黒色腫の治療に繋がる割合は6%
標準治療を終えた患者が、遺伝子パネル検査で新たな治療が見つかっても、それを容易には受けられない現実があります。
推奨されても保険適応でない
悪性黒色腫は、黄色人種では症例が少なく、国内では希少がんとされます。このがんが遺伝子パネル検査で新たな治療が見つかるかどうかについて、北海道大学のグループが調査を行いました。標準治療を終了し、遺伝子パネル検査を受けた569名を対象に分析したところ、全体の約3分の1に対して新たな治療が推奨されましたが、実際に治療に至ったのは36名で6%に過ぎなかったのです。標準治療が終了した患者にとって、新たな可能性を見出すという意味で、遺伝子パネル検査は有効ですが、現状ではその後の制度や流れが確立されているとはいい難いところがあります。保険適応でなければ治療費は全額自己負担ですし、保険診療と併用するには、患者申出療養を使う必要があります。また、タイミングよく治験の募集があって参加出来るとも限りません。ゲノム医療でがん治療の可能性を拡大するのであれば、制度面も含めた改善が必要なのではないでしょうか。
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