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2022-02-18

オプジーボの原発不明がんへの保険適用が、本当に目指すべきところ


がん治療を選択する上で、本来、原発部位は一番の要因ではないはずです。

原発部位がわからないと、治療方針が立てられない

原発不明がんは、既に転移した状態で発見され、原発の部位がわからないがんのことです。標準治療は原発の部位によってガイドラインが確立されており、原発不明がんはなかなか治療方針が立てづらく、既に転移して進行しているにもかかわらず、対処が遅れ、予後が芳しくありません。そのように標準治療が確立されていない原発不明がんに、免疫チェックポイント阻害剤が保険適用になりました。原発不明がんにはじめて抗悪性腫瘍剤が保険適用になったということで、画期的な出来事と評価されていますが、本来、目を向けるべきは、そこではないように思われます。免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞による免疫細胞の抑制を解除します。この仕組みは部位に特定されません。がんの原因である免疫の抑制を解除する免疫チェックポイント阻害剤は、がんの種類、即ち部位ごとに使い分けるのではなく、どんながんであってもその性質に合致していれば使えるはずなのです。

PD-L1陽性ならオプジーボは部位を問わず有効

PD-L1を発現したがん細胞は、免疫細胞(T細胞)表面のPD -1に結合することで、がん細胞を攻撃出来ないようにします。オプジーボは抗PD-1抗体であり、PD-L1より先にPD-1に結合してこの免疫抑制が出来ないように作用します。従って、この性質(PD-L1)が陽性であるがんであれば、原発不明がんを含めて、どんながんにも有効だと考えられます。なかなかがんで亡くなる方が減少せす、がんは部位別の治療からゲノムを重視した治療、つまりがんの性質に応じた治療に移行しようとしています。その観点から考えれば、オプジーボは原発不明がんだけでなく原発部位を問わず、様々ながんに保険適用されるべきなのです。そして、その前提として原発不明がんを含め、PD-L1が陽性であるということが条件となるべきでしょう。

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