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2024-09-04

イリノテカンを改良し、副作用を軽減

多くの抗がん剤と同様、イリノテカンも副作用対策が課題です。

がん細胞に多く含まれるグルタチオンを利用

東北大学のグループが、抗がん剤「イリノテカン」の改良に取り組んでいます。SN-38という物質は、DNAの複製を抑制しますが、そのままの構造では水に溶けにくいため、構造を一部変更し、肝臓の酵素が作用すると働きはじめるイリノテカンという抗がん剤として、肺がんや子宮頸がんなど様々ながんに使われています。そして、他の抗がん剤と同様、正常細胞への影響で副作用があることが問題でした。このグループは、がん細胞がグルタチオンを多く持つことに着目し、2つのSN-38を結合させ、グルタチオンが作用すると結合が切れて働きはじめるようにしたのです。マウスを使った実験では、イリノテカンよりもがんの進行を食い止めることに成功し、重い毒性などもありませんでした。がん細胞以外にはグルタチオンは微量しか存在しないため、がん細胞において集中的に働き、副作用が起きないと考えられています。

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