原発部位を見つけるのに苦労したワッキーさんのがん
ペナルティのワッキーさんは、最初に見つかったがんが転移巣で、どこのがんか診断がつくまで、時間がかかりました。
原発部位がわからないと、治療方針が立てられない
お笑いコンビ「ペナルティ」のワッキーさんは、2020年に中咽頭がんと診断され、治療を経て仕事に復帰しています。喉仏の左側に出来たしこりが、最初にがんと診断されたのですが、それは既に転移したがんで、なかなか原発部位がわかりませんでした。標準治療は、基本的に部位別に確立されているため。このような原発不明がんは、治療方針を立てづらく、治療が遅れがちになるという課題があります。主治医、そしてセカンドオピニオンを求めたがんが専門の医師の精密検査でも、なかなか原発部位が見つからず、その後に主治医が念のためにと喉の奥を切開して検査したところ、精密検査でも見つからないくらい小さな中咽頭がんが発見されたのです。診断がつくまで、1か月半くらいを要し、この段階でやっと治療方針が立てられるわけですが、中にはいつまで経っても原発部位がわからない患者もいます。この問題は、がんを部位別に治療するという考え方が招いているといわざるを得ません。がんは、遺伝子に異常が起こり、細胞ががん化した結果です。そして、部位別に確立された標準治療で、なかなか死亡者が減少しないという限界に行きついた中、がんは性質、即ち遺伝子の異常に応じて個別化治療を選択する方向に舵を切りつつあります。実際、免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボが原発不明がんに保険適応になりましたが、オプジーボはPD-L1陽性のがんが免疫にブレーキをかえている状態を解除して、免疫を回復させるわけですから、PD-L1陽性のがんであれば。部位を問わず効果が期待出来るわlけです。原発不明がんこそ遺伝子という側面から見たがんの個別化治療が求められている分野でしょう。