2023-09-07
非小細胞肺がん患者が、がん遺伝子パネル検査を受ける割合は1.2%
肺がんは、遺伝子の変異に応じて治療が確立されています。
より多くの遺伝子変異を見つけられる可能性
民間の調査会社によると肺生検をした非小細胞肺がん患者のうち、がん遺伝子パネル検査を受けたのは僅か1.2%に止まりました。2019年1月~2022年12月の外来・入院データが提出されている263病院の中から、非症細胞肺がんステージ4で初回治療前に肺生検を実施した患者を抽出し、全国204病院の1万5719人を対象にした検査です。肺がんは、がんの原因である遺伝子の変異に応じて治療が確立されており、EGFRやALKなど8種類の遺伝子変異に対する分子標的薬が17承認され、2019年には一度に複数の遺伝子変異がわかるマルチプレックス・コンパニオン診断が保険適用になっています。その後、遺伝子検査を行った割合は平均74.1%で推移し、マルチプレックス・コンパニオン診断の充実により2022年には5種の検査を受けた患者が急増しています。EGFR、ALK、ROS1、BRAF遺伝子については7割弱〜7割程度、METとRET遺伝子は2~3割程度、KRASとNTRKは1割未満の実施率となっていまう。一方でがんゲノムプロファイリングを行うがん遺伝子パネル検査の実施率は、1万5719人のうち、183人(1.2%)に過ぎません。マルチプレックス・コンパニオン診断で包括的な遺伝子変異検索をしているため、がん遺伝子パネル検査mでは行わないことが原因と考えられますが、一方で対象となる遺伝子数が多ければ、マルチプレックス・コンパニオン診断では漏れていた遺伝子変異を見つけられる可能性はあります。
関連記事