2023-05-23
骨転移
骨はがんが転移し易い部位です。正常な骨は、破骨細胞の骨吸収によって古い骨を分解し、骨芽細胞の骨形成によって新しい骨を作りながら、常に生まれ変わっています。血液によって骨に運ばれたがん細胞は、ランクルという破骨細胞の働きを過剰にする物質の産生を促し、どんどん骨を分解していきます。分解された骨にはカルシウムなどのミネラルや様々な蛋白質が含まれ、がん細胞はこれらを栄養にして、盛んに分裂と増殖を繰り返し、骨に転移巣を作ります。多くのがんが骨転移しますが、特に多いのは、肺がん、乳がん、胃がん、前立腺がん、腎臓がん、大腸がんなどです。骨転移は痛みに加えて、骨を脆くするため、骨折などの原因になります。特に脊椎や大腿骨、骨盤などを骨折すると、寝たきりの状態になり易く、QOLに大きく影響します。
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