2023-05-19
長いテロメアは、若さを維持する反面、がんリスクを増大させる
遺伝子に異常の生じた細胞が、何度も分裂すると、がん化の可能性が出てきます。
テロメアは細胞分裂の度に短くなる
私たちは成長や生命維持のために日々、細胞分裂を繰り返しています。核の中にあるDNAが複製され、遺伝子という生命の情報通りにアミノ酸から蛋白質が合成され、細胞は増殖します。このDNAの両端にあるのがテロメアです。DNAは一度複製されると、少しずつ短くなっていきます。この時、重要な生命情報が欠落しないよう、両端でマージンのような役割を果たしているのがテロメアです。従って、細胞が分裂するごとに、テロメアは短くなります。だから、テロメアの長さは細胞の分裂回数に影響し、若さの維持を左右するわけです。反面、テロメアが長いとデメリットもあります。異常な細胞を何度も分裂、増殖させてしまうことで、遺伝子の異常が積み重なり、細胞ががん化する可能性が高くなるのです。また、正常な細胞では分裂の回数に限界があり、そこに到達すると、自然に細胞死します。ところが、がん化した細胞では短くなったテロメアを修復し、無限に分裂を繰り返すようになってしまうのです。
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