2023-04-06
がんを破壊する細菌
固形がんの内部は酸素が不足しており、そこで活発に増殖する細菌を利用した治療が研究されています。
嫌気性最近を遺伝子改変で無毒化
米国のジョンズ・ホプキンス大学ではがんを破壊する細菌の研究が進められています。固形がんはがん細胞の塊ですが、がん細胞は正常な細胞よりも急速に増殖していくため、内部には正常な組織のように血管が通っていません。従って、抗がん剤を投与しても、固形がんの内部まで行き届かないことが多いのです。そして、固形がんの内部には酸素が行き届かず、壊死している部分があります。この状況を利用しようというのが、最近を利用したがん治療です。嫌気性細菌「クロストリジウム・ノビィ」を遺伝子の改変で無毒化した「クロストリジウム・ノビィ-NT」は、がん患者の体内に入ると、酸素のある環境では増殖せず、固形がんの内部に辿り着くと、酸素のない環境で活発に増殖しはじめます。その際にエネルギーを得るため、がん細胞を分解していくのです。これによってがんを狙い撃ちに出来ることになります。臨床試験では劇的な効果を確認出来た例があり、新しい治療として期待されています。
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