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2016-08-04

九重親方が受けた特殊な放射線治療とは?

Cancer maze concept

先日、すい臓がんで亡くなった九重親方は、進行がんには一般的な抗がん剤ではなく特殊な放射線で治療を行っていたそうです。

転移がんなのに放射線治療に頼った
先日、膵臓がんで亡くなった元横綱・千代の富士の九重親方。昨年、見つかった膵臓がんは比較的早期であり、手術によって腫瘍は摘出出来たので、経過は良好と伝えられていました。ところが、その後に胃や肺などにも転移していることがわかり、治療を続けていました。一般に転移したがんの治療には抗がん剤が用いられます。がんは細胞単位で全身に飛び散り、手術や放射線で目に見える腫瘍を取り去ったとしても、どこかで生き延びているからです。しかし、九重親方は抗がん剤ではなく特殊な放射線による治療に頼っていたそうです。

局所療法と全身療法は用途が違う
がん治療の技術は日進月歩しています。がんという厄介な敵を退治する上で、有効な武器は増え続けています。しかし、使い方が適切でなければ、どんなに優れた治療であっても、効果は期待出来ません。例えば、手術や放射線といった局所療法は大きくなった腫瘍を直接叩く爆弾やミサイルのようなものです。これに対して抗がん剤などの全身療法は全身に潜伏しているであろうがん細胞まで始末する白兵戦舞台といえます。

進行したがんには全身療法が必要
九重親方の場合、腫瘍が数箇所にあり、手術が難しかったようです。また、以前通りに仕事を続けたいということで、副作用の大きい抗がん剤を使いたくなかったのでしょう。結果的に特殊な放射線治療が中心になってしまったと思われます。とはいえ、ここまで進行した状態であれば何らかの全身療法は必要であったと思われます。

免疫細胞療法という選択肢はなかったか
一部では既にこの特殊な放射線治療に頼ったことが判断ミスではないかという意見が出ているようです。九重親方の正確な病状や治療内容が定かでない状態で、あれこれと批判をするのはよくありませんが、進行がんの治療を放射線だけで行うのは無理があります。抗がん剤を使いたくないという気持ちは理解出来ますし、完治させるとい意味では抗がん剤にも限界はあります。それならば副作用が少なく、完治も望める免疫細胞療法などを選択するという判断もあったのではないでしょうか。

 

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