2023-01-20
がんを縮小させる埋め込みデバイス
がんは、免疫の働きを逆手にとって、自らを守ります。
乳がんや悪性黒色腫で奏効
ロスアンゼルス大学カリフォルニア校のグループは、体内に埋め込むことで、がんを縮小させる小型のデバイスの開発に成功しました。このデバイスは消しゴムくらいの大きさで、アルギン酸で出来た生分解性のスポンジのようなものです。これに薬剤を染み込ませて、体内に埋め込み、ゆっくりと放出させます。放出させるのは、免疫細胞の一種である制御性T細胞の働きを阻害する薬剤です。免疫は体内の異物を攻撃する仕組みですが、自分自身を攻撃することがないよう、抑制的に働く免疫細胞があり、それが制御性T細胞です。がん細胞はこの仕組みを上手に利用して、自らを免疫の攻撃から守っているのです。マウスを使った実験では、乳がんを持つマウスの8割でがんが小さくなり、全てのマウスで増大を食い止められました。また、悪性黒色腫を持つマウスでは、全てのマウスで腫瘍が縮小、そのうちの4割では検出不能な状態に消失出来ています。
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