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2022-12-13

「がんワクチン」は実用化されるのか?


がんワクチンが本当に実用化されるには、抗原を特定出来るかどうかに懸かっています。

がんに対するmRNAワクチンが開発中

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、それに伴いワクチンの接種が世界中で行われました。このワクチンが従来とは異なる製造方法であったり、副作用に関する批判が様々な憶測を含めて飛び交ったりすることで、ワクチンについての関心が高まりました。ワクチンは、異物の目印である抗原を、免疫に認識させることで、免疫を活性化させます。従来は、ウイルスを無毒化したり、その抗原となる蛋白質を人為的に製造したりしました。今回、新型コロナウイルスのワクチンとして新しく実用化されたのは、mRNAによるワクチンで、体内で新型コロナウイルスの目印となる蛋白質を合成します。一方、がんという病気についても、長年、ワクチンの開発が行われてきました。患者自身のがん細胞の一部をそのまま利用したり、患者のがんに特異的な蛋白質を免疫細胞に学習させたり、様々なタイプがあります。また、mRNAのワクチンも開発されています。とはいえ、問題は、何を側の目印として特定するかになります。がん細胞はそもそも遺伝子コピーのエラーで生まれた細胞。それぞれが常に変異しています。また、体内で作られる以上、がん細胞にのみ存在する物質などないのです。手段としてのがんワクチンは、これからもどんどん開発されていくと思われますが、ポイントは、抗原を特定出来るかどうかに懸かっています。

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