2022-11-04
抗体薬物複合体は、通常の抗体医薬品より多くの患者に奏効
抗体薬物複合体が抗体医薬品よりも優れるのは、攻撃力だけではなく適用の範囲の広さです。
エンハーツはHER2低発現でも奏効
がんにおける抗体医薬品、即ち分子標的薬は、がん細胞の異常な増殖に関係し、特異的に発現している蛋白質を抗原として認識し、その働きを阻害します。これに低分子の抗がん剤を結合し、さらに攻撃力を高めた上で、がん細胞を狙い撃ちするのが抗体薬物複合体です。抗体医薬品は、当然ながら抗原となる蛋白質が陽性でなければ効果がないのですが、抗体薬物複合体になると抗原の発現の度合いが低くても効果があり、より多くの患者に投与することが出来ます。乳がんのHER2陽性でハーセプチンやその後発の分子標的薬が使用出来るのは、全体の2割程度ですが、HER2を標的とした抗体医薬品に低分子の抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体「エンハーツ」は、全体の約50%に適用になります。
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