2022-10-24

がん細胞は、マトリョーシカのように免疫チェックポイント阻害剤の攻撃を逃れる

がん細胞は、他のがん細胞を縦にして、自分を守ります。

エンドーシスに似たプロセス

抗がん剤や分子標的薬は、一定の期間、効果が出ていても、次第にがん細胞に薬剤耐性が生じて、効果が出なくなっていきます。それは免疫チェックポイント阻害剤に対しても同様です。薬剤耐性が生じるメカニズムは様々で、まだ解明されていない部分もありますが、イスラエルのテルアビブ大学の研究ではがん細胞がマトリョーシカのように他のがん細胞の中に入り込み、それを盾のように使うことで、免疫チェックポイント阻害剤の作用を逃れることがわかりました。そして、このがん細胞が他のがん細胞に入り込む際には、細胞が別の細胞を飲み込むエンドーシスと似たプロセスであることも明らかにしており、エンドーシスに関わっている蛋白質を阻害することで、がん細胞のマトリョーシカ化を防止出来るのではないかと考えられています。