2022-07-13
大腸がんの幹細胞が再発を引き起こす仕組みを解明
がんの幹細胞は、抗がん剤の攻撃を潜り抜けて、再発を引き起こします。
がん幹細胞は腸の組織に固着して休眠する
がんは、手術でなどの治療で取りされたように見えても、たった1個のがん細胞から再発します。抗がん剤は、分裂中の細胞を傷害し、がん細胞の数を減少させますが、再発の元凶となるがん幹細胞は、なかなか文列しないため、抗がん剤の攻撃を潜り抜けて生き延びます。慶應義塾大学のグループは、大腸がんの細胞を体内に近い状況で増殖させる技術を開発し、がん幹細胞の挙動を確認することに成功しました。その結果、大腸がんの幹細胞は、コラーゲンのような蛋白質を作り出して、腸の組織に固着し、休眠した状態で抗がん剤の攻撃を凌いでいました。また、このコラーゲンがない状態ではYAPという蛋白質が再分裂を制御しており、大腸がんを移植したマウスに、抗がん剤とYAPの働きを抑制する薬剤を投与したところ、分裂は減少することも確認しています。
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