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2022-07-04

大腸がんの進行に関わる蛋白質を、新たに特定


標的治療は、がん細胞の異常な増殖に関わり、特異的に発現している成分に働きかけて、がんの進行を抑制します。

がん細胞を狙い撃つ

近年のがん治療の傾向のひとつは、がん細胞の異常な増殖に関わっている特異的な成分を見つけて、それに働きかけることで、がんの進行を抑制する標的治療です。従来の抗がん剤は、がん細胞に働きかけるのではなく、がん細胞が頻繁に分裂する性質を利用し、分裂中の細胞を攻撃することで、その数を減らしました。しかし、分裂中であれば正常細胞も巻き添えになり、分裂していないがん細胞は生き延びてしまいます。そこで、がん細胞を狙い撃つ標的治療が開発されてきたのです。

痛みやストレスに関わっている蛋白質に着目

がん細胞の標的となる成分は幾つも特定され、今も研究が進んでいます。そんな中、北海道大学のグループは、痛みやストレスに関わっているNK2Rという蛋白質に着目して、研究を進めた結果、NK2Rが多く発現している大腸がんの細胞は、増殖や転移する性質が顕著で、この蛋白質の働きを阻害することで、増殖を抑制出来ることがわかりました。この発見が、新たな治療の端緒になることが期待されています。

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