2022-06-23
がん抑制遺伝子が機能し過ぎても、がんの発症を招く
慢性肝疾患になると肝細胞にストレスがかかり、細胞の分裂の際に異常が起こりやすくなるため、がん抑制遺伝子が活発に働きます。
P53は「ゲノムの守護神」
がんは、遺伝子の異常が積み重なり、異常な増殖をするがん細胞が発生し、大きな腫瘍になった結果です。私たちの体にはこれを未然に防ぐ仕組みが備わっており、P53というがん抑制遺伝子もそのひとつで、遺伝子の異常を修復したり、修復が追いつかない場合は、細胞そのものをアポトーシスに誘導し。「ゲノムの番人」と呼ばれます。ところが、このP53が機能し過ぎると、逆にがんの発症に繋がることが、大大学のグループの研究で明らかになりました。慢性肝炎は慢性肝硬変を最終的に肝細胞がんに進行します。慢性肝疾患になるとP53が活性することは知られていましたが、これが炎症を招き、発がんが著しく促進されるという仕組みを、マウスの実験によって確認したのです。この研究が新しい治療の開発に繋がることが期待されています。
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