2022-04-06
抗HER2抗体の併用が大腸がんに対して保険適用に
同じ蛋白質に作用する分子標的薬は、単独で投与するより併用したほうが、効果がアップします。
ハーセプチンもパージェタも抗HER2抗体
近年、がんの新薬の主流となった分子標的薬は、がん細胞が特異的に発現して、分裂・増殖に関わっている蛋白質を標的に作用し、その働きを抑制します。HER2という蛋白質を標的とするハーセプチンは、その先駆といえ、乳がんでは20年以上使用されてきました。ところが、HER2が陽性のがんであっても、ハーセプチンに耐性が出てくることがあり、その対策として行われるようになったのが、同様に抗HER2抗体であるパージェタとの併用で、2018年に保険適用となっています。そして、HER2は乳がん以外でも発現し、ハーセプチンは2011年に胃がんに対しても使えるようになりました。そして、今回、HER2陽性の大腸がんに対してハーセプチンとパージェタの併用が出来るようになりました。HER2陽性の大腸がんはあまり多くありませんが、決め手となる治療が待たれていました。ハーセプチンとパージェタは、どちらも抗HER2抗体ですが、それを阻害する仕組みは異なるため、併用することで効果がアップすると考えられています。
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