2022-04-01
がん細胞の自食作用でがん幹細胞を攻撃する研究
がん細胞には不要な蛋白質を分解・吸収する性質があります。
がん細胞を悪性化させる蛋白質を自食させる
幹細胞は様々な細胞に分化する能力を持ち、近年、再生医療への応用が進められています。実は、がんにも様々ながん細胞に分化するがん幹細胞が存在し、再発や転移の元凶となります。もうひとつ厄介なのは、がん幹細胞は分裂の頻度が極端に少なく、分裂中のがん細胞のDNAを傷害する抗がん剤の効果が及びづらいことです。佐賀県医療センター好生館などのグループは、がん細胞が不要な蛋白質を分解し吸収する自食作用を利用し、このがん幹細胞を攻撃する研究を行っています。がんが進行すると、がん幹細胞の表面にがん細胞の悪性化に関係するCD133という蛋白質が発現します。このCD133はがん細胞の自食の対象であるため、自食を促進する薬を使用することで、がん細胞の悪性化を食い止められるのです。まずはマウス実験を行い、新しい治療の開発に繋げたいということです。
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