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2021-11-19

HER2陽性の大腸がんに2種類の分子標的薬併用で効果を確認


がんの部位ではなく遺伝子変異のタイプによって分子標的薬を選択することは、理に適っています。

ハーセプチンとバージェタを併用

がんは遺伝子の変異によってタイプを分けることが出来ます。HER2は進行の速いがんで発現することが多い蛋白質で、乳がんや胃がんにおいてはこのHER2を標的として作用するハーセプチンが保険適用となっています。日本人に最も多い大腸がんでもHER2が陽性の場合がありますが、全体の2〜3%と少なく、有効な標準治療が確立されていませんでした。国立がん研究センター東病院などのグループは、このHER2陽性の大腸がんの患者に対してハーセプチン、バージェタの2種類の分子標的薬を投与したところ、30人のうちの約3割でがんが消失、縮小するなどの効果がありました。実は、乳がんや胃がん以外にもHER2を発現しているがんは多く、ハーセプチンは保険診療外での適用も一部で行われ、効果と安全性は確認されています。遺伝子の変異から分子標的薬を選択する流れが、さらに加速するかもしれません。

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