2021-03-04
大阪大学が悪性度の高いがん細胞に感染し易い腫瘍溶解性ウイルスを開発
がん細胞にウイルスを感染させて、内側から破壊する治療があります。
抗体があると腫瘍溶解性ウイルスが感染しづらい
腫瘍溶解性ウイルスは、ウイルスの遺伝子を改変し、がん細胞に選択的に感染し、内側から破壊するもので、新たながん治療として期待されています。様々な企業や大学などが研究・開発を行っていますが、がん細胞に効率よく感染させることが課題になっています。広く使われているのは5型アデノウイルスですが、日本人を含む成人の多くはこれに対する抗体を持っており、感染しづらいという難点がありました。また、5型アデノウイルスが感染の目印とする受容体は、一部の悪性度の高いがん細胞では発現の度合いが低いという問題もありました。
抗体を持つ方の少ないアデノウイルスを使用
そこで、大阪大学の研究グループは、抗体を持っている方の割合が低く、多くのがん細胞で発現しているCD46を標的として感染する35型アデノウイルスを使って、新たな腫瘍溶解性ウイルスを開発しました。これによって従来の腫瘍溶解性ウイルスでは効果が期待出来なかったがんについても対応出来ることが期待されています。
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