悪くならないと何もしてもらえないのが保険診療
早期のがんでは手術で切除出来ると、それ以上の治療は行われないことが少なくありません。
健康診断も予防接種も保険診療ではない
日本には優れた公的医療保険制度があり、一部の費用を負担するだけで、質の高い医療を受けることが出来ます。そして、その前提は、あくまでも病気や怪我と診断された方の治療が対象だということです。例えばどこか悪いところがないか検査する健康診断は自費です。勤務先や自治体が費用を負担してくることで、本人の負担が軽減されることはありますが保険診療ではありません。また、感染症の予防接種も自治体が法律に基づいて受けさせる場合などを除いて自費になります。
早期のがんでも再発や転移のリスクはある
がん治療においても同様です。早期のがんは、がん細胞が原発部位に止まっているということで、手術で切除出来れば、それ以上の治療は行われないことがよくあります。進行がんになると目に見えるがんを切除出来ても、その周囲、あるいは全身にがんが細胞の単位で飛び散っていると考え、再発や転移に備えて、抗がん剤などの全身治療を行います。ただ、早期がんとはいえがんが散らばっていないという保証はありません。がんは、細胞の単位でひとつでも残っていれば、再発や転移に繋がります。何か治療を希望する患者は少なくないと思いますが、現行の制度では何もしてもらえないのです。
経過観察中にセカンドオピニオンを活用して
経過観察の間の不安が拭えない患者は、標準治療だけなく自由診療にも詳しい医師にセカンドオピニオンを求めてみるといいでしょう。保険診療では主治医はひとりの患者にじっくりと時間はかけられないのが現実ですが、自分のがんの状態を確認したり、何か出来ることはないか教えてもらったり、不安を解消してもらったりする機会として活用出来ます。