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2020-01-06

進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン9

進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン

標準治療は進行がんに対しては延命しか行わない
保険診療で提供される標準治療は、科学的根拠と多くの検証に基づく信頼出来る治療です。しかし、進行がんに対しては限界があり、現実的には完治よりも延命を目的とする治療になってしまいます。

がんが早期で原発部位や周辺のリンパ節に留まっている場合は、手術や放射線といった局所療法で完全に取ることが出来ます。しかし、浸潤が進んだり、遠隔転移したりすると、がん細胞は全身に散らばっており、抗がん剤による全身治療が必要です。

抗がん剤は、がん細胞が盛んに分裂することに着目し、分裂中の細胞を傷害することで、がんを縮小させます。しかし、再発や転移の原因となるがん幹細胞は、分裂の周期が長く、抗がん剤の攻撃から生き延びてしまうのです。

従って、進行がんに対しては基本的に抗がん剤を繰り返し、完治ではなくて延命を施すしかないのが、標準治療の現実です。

先端医療などで標準治療を補完して、進行がんを克服
がんが進行して、手術が不可能だとか、もう緩和ケアしか出来ないという患者さんはたくさんいらっしゃると思いますが、あくまでも標準治療のガイドラインに従った場合です。自由診療も選択の範囲に加えれば、ステージ4や末期の患者さんでも完治や生還を目指してやれることはたくさんあります。決して諦めることはありません。

がん細胞が全身に散らばっている場合、奏効率は最初に使うファーストラインの抗がん剤で3~5割、セカンドラインで1~3割といわれます。ガイドラインではサードラインまで決まっていますが、生き残ったがん細胞には抗がん剤への耐性が出来て、奏効率はどんどん悪化していくのです。

全身に散らばったがん細胞を排除するには、遺伝子治療や免疫治療で標準治療を補完していく必要があります。こうした治療は自由診療で行われています。保険診療ではそれ以外の治療を勧めたり行ったり出来ませんから、こうした自由診療を希望される患者さんは、まずは先端医療などの自由診療に精通した医師に、セカンドオピニオンを求めることが必要です。

同じ標準治療でも医師によって違いが
保険診療の原則は均てん化された医療ですが、現実には医師や医療機関の優劣はあります。多くの患者さんはがんと診断されたら、紹介された先で治療を受けますが、それがベストの環境とはいいきれないのです。医師や医療機関のことを一番知っているのは医師です。自分のがんを一番得意としている医師や医療機関を紹介してもらうのは、セカンドオピニオンの利用法のひとつです。

また、標準治療にはガイドラインが設けられていますが、それに沿って判断するのは医師です。症状や体調、環境、リスクなどの要因で個々の医師の判断は変わってきます。最初に診断してもらった医師に、手術は無理だとか、緩和ケアしか出来ないといわれても、別の医師の見解が異なるということは少なくありません。
諦めずにセカンドオピニオンを聞いてみましょう。

▼セカンドオピニオン▼

7歳の息子のことで相談させてください。3年前に脳腫瘍と診断されて手術しました。右半身に麻痺は残ったものの、腫瘍は取りきれたということで喜んでいました。しかし、1年後に再発。今度は放射線治療を行いながら、様子を見ていましたが、徐々に大きくなってきたので再手術しました。

でも、全部取り切れなかったので、抗がん剤を使うことになったのです。投与後も脳腫瘍の大きさは変わりなく、医師からはこれ以上、出来ることはないといわれ、途方に暮れています。何か方法はないでしょうか。日本で駄目なら海外での治療も考えています。《40歳女性》

三大療法が駄目なら、
抗腫瘍効果が報告されているCBDを試してみては

小児の脳腫瘍は根治が難しく、小児がんの死因としてはトップになっています。脳腫瘍の種類にもよりますが標準治療として三大治療である手術治療、放射線治療、抗がん剤治療が行われます。しかし、これらの効果がない場合には、他には選択肢がないというのが現状です。

だからといってこのまま何もせず最期を迎えることはありません。昨今、話題のCBD(カンナビジオール)を試してみてもよいかと思います。

CBDは医療大麻として使用される成分のひとつで、日本では単体で使用する分には、大麻由来といっても違法ではありません。海外では既にてんかんの治療薬として認可されていますし、WHOの報告でも多くの病気やがん性疼痛の緩和に効く可能性が示されています。そして、超高濃度ではがんの増殖が抑えられるという論文が、多数出ています。昨年10月には豪州から成人の悪性脳腫瘍に対して標準治療と併用することで、生存期間が延長したという報告がありました。

当院でも既にがん性疼痛の緩和目的での症例があります。そして、文献上、抗腫瘍効果があるとされた超高濃度のCBDを、2020年1月より導入しています。使用方法は簡単で、毎日自宅で舌下にCBDのオイルを垂らすだけなので、通院の必要はありません。

実際、CBDの症例はまだまだエビデンスとしては不十分です。副作用に関してもある程度までしかわかっていません。しかし、小児脳腫瘍自体、数の少ない疾患ゆえにまだ十分なエビデンスがないまま、他に選択肢がないということで、三大療法が行われているのが現状です。これ以上、何も出来ないという小児に対して、疼痛緩和を目的としながら、抗腫瘍作用を期待して、CBDを使用するのはひとつの方法だと思います。

標準治療、保険診療で積極的な治療が出来なくなっても、全く手段が尽きたわけではありません。どんな状況でもやれることはありますから、可能性のある治療、またそれを行っている医師を探してみてください。

≪取材協力≫ 銀座みやこクリニック https://gmcl.jp/

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