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2020-01-08

第一三共の抗体薬物複合体が米国で販売開始

分子標的薬と抗がん剤を組み合わせ、双方の強みを活かせるのが抗体薬物複合体です。

がん細胞を効率よく叩く
抗体薬物複合体は、分子標的薬と既存の抗がん剤を組み合わせて、がん細胞を効率よく叩く新薬です。抗がん剤の一番の問題点は、がん細胞だけを攻撃するのではなく、分裂中の細胞を攻撃するため、正常細胞まで巻き添えになり、つらい副作用を招くことです。分子標的薬は、がん細胞が特異的に発現する蛋白質(抗原)に対して、抗体として働き、がん細胞の増殖を抑制します。既存の抗がん剤より効き方は穏やかですが、がん細胞に効率よく作用し、正常細胞への影響が少ないというメリットがあります。

乳がん以外にも効果が期待出来そう
第一三共はこの抗体薬物複合体の開発に力を入れており、米国で乳がんの治療薬としてエンハーツの販売を開始しました。乳がんには幾つかのタイプがありますが、HER2という蛋白質を発現する進行の速いがんには、ハーセプチンという分子標的薬が使われます。エンハーツはこのハーセプチンにデルクステカンという抗がん剤を組み合わせています。因みに乳がんだけでなく胃がんや大腸がんなどでもHER2を発現している患者は多く、今後、多くのがんに適用を拡大していく見込みです。

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