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2019-08-23

BSの普及は保険適用外処方の一助となるか?

ハーセプチンといえば乳がんなどの治療に用いられる分子標的薬のベストセラーです。

ハーセプチンは保険適用外でも多く使われる
分子標的薬のベストセラーであるハーセプチンのBS(バイオシミラー)について、ファイザーが販売を開始しました。他にも日本化薬、セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン、第一三共が承認を取得しており、競争が激化することでしょう。ハーセプチンはHER2という分子を発現したがん細胞の増殖を抑える働きがあり、登場以来、それまではこれといった決め手のなかった進行性の乳がん治療を根本から変えたとまでいわれています。また、がんの部位を問わず、進行の速いがんではHER2が見られることが多く、現在保険適用になっている乳がんや胃がん以外の治療においても、保険適用外処方で使われることがあります。

BSは開発コストの圧縮が価格に反映される
BSは特許切れのバイオ医薬品のコピー製品です。成分上は全く同じであるジェネリック医薬品のように完全なコピーではありませんが、既に効果や安全性が確認されているので、開発コストが大幅に圧縮され、それが価格にも反映されます。がん治療薬、特にバイオ医薬品の価格はどんどん高騰する中、ハーセプチンの価格は安い部類ですが、それでも自由診療で全額支払う場合には、患者にとって大きな負担になります。各社によるBSへの参入で価格が下がり、BSとはいえよりハーセプチンを使いやすい状況になるのは望ましいことでしょう。

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