2019-05-28
がんの治療や診断に役立つ環状ペプチドを発見
組織を成長・再生させる信号は、がんを転移させたり、抗がん剤への耐性を生じさせたりします。
HGFの働きを阻害する環状ペプチド
幹細胞増殖因子(HGF)は細胞外に分泌される蛋白質で、受容体であるMETという蛋白質と結合することで、組織の成長や再生を促します。しかし、がんの組織の場合、転移や抗がん剤に対する耐性獲得を助長します。金沢大学などのグループは、HGFと特異的に結合する環状ペプチド「HiP-8」を発見しました。また、HiP-8がHGFの働きを阻害することや、放射性同位元素で標識したHiP-8の投与とPETを組み合わせて、HGFが多量に結合しているがん組織を可視化出来ることを明らかにしています。この発見は、転移しやすいがんや抗がん剤の効きにくいがんの新たな治療の開発に繋がるのではないでしょうか。
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