2019-04-09
抗体薬物複合体
抗体医薬品と低分子医薬品を結合させ、がん細胞を効率よく攻撃するように作らているのが抗体薬物複合体です。抗体医薬品はがん細胞に特異的に発現している蛋白質を目印に作用し、がん細胞の増殖を抑制します。従来の抗がん剤(低分子医薬品)に比べて、攻撃力は穏やかですが、正常細胞への副作用が少ないというメリットがあります。これに対してがん細胞は正常細胞よりも盛んに分裂するという特徴に着目し、分裂中の細胞を傷害する抗がん剤は、がん細胞への攻撃力は強いのですが、分裂中であれば正常細胞も傷害するため、どうしても副作用が出てしまうという問題があります。抗体薬物複合体の狙いは、抗体医薬品の性質を活かして、抗がん剤をがん細胞に集中させることです。現在、第一三共が治験を進めており、同社では次のがん治療薬の柱になると期待を寄せています。
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