医師から宣告される余命は重い数字です。それに従って仕事や財産を片付け、身辺の整理をしたにもかかわらず、以後も生き続けているひとりのがん患者についての報道がありました。
余命診断が正確だったのは36%
次の誕生日は迎えられないと、医師から余命宣告を受けたがん患者が、仕事を辞めたり、財産を処分したりして、死に備えたにもかかわらず、実際にはその後も生き続けたことで、生活に支障が出たと、憤りを訴えているという報道がありました。長く生きられたのは、本来であれば有難いことなのですが、そもそもこの余命については明確な定義がありません。多くの方は余命1年と診断されたら、その前後の数か月で大半の方が亡くなるように感じるかもしれませんが、75人の末期がん患者をを対象にした調査では、余命診断と実際の生存期間のずれが3分の1以内であった割合は36%に過ぎなかったそうです。生存期間が余命より短ければ、治療が適切ではなかったかという疑問にとらわれるでしょう。反対に長ければそれだけ生きられたとしても、その期間は絶えず死を意識せざるをえません。5年生存率にしてもそうですが数字はあくまでも目安と割り切る必要があります。
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