甲状腺や前立腺がんでは保険適応になっている放射性医薬品ですが、抗がん剤や放射線による治療が効きにくい脳腫瘍においても、国内で新薬が開発され、臨床試験がはじまることになりました。
低酸素の腫瘍に集まる放射性銅を利用
放射性物質を服用し、体の内側から放射線でがんを攻撃するのが放射性医薬品です。国立がん研究センターと放射線医学研究所は、悪性脳腫瘍の放射性医薬品を開発し、今月中に臨床試験を開始することになりました。脳腫瘍の内部は酸素濃度が低いため、抗がん剤や放射線による治療の効果が出にくいことが知られています。そこで、酸素濃度の低い腫瘍に集まりやすい放射性銅を利用し、がん細胞を攻撃する放射線を放出させます。放射性医薬品は甲状腺や前立腺のがんなどで保険適応になっていますが、いずれも海外の製品であり、今回の放射性医薬品が承認されれば国内初となります。
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