三大療法に次ぐ第四の療法と表現されることのある免疫療法。いろいろな免疫療法はがありますが、患者の免疫細胞を対外で強化して戻す免疫細胞療法について、国内ではじめて承認申請が行われました。
進行がん征圧の鍵は免疫を機能させること
標準治療の柱となる三大療法(手術・放射線・抗がん剤)は、いずれもがん細胞を根絶することが出来ないため、進行がんを征圧する上では限界があるといえます。そんな中、がん治療の鍵とされるのが、免疫をいかに機能させるかということになります。免疫が正常に機能しなかった結果、がん細胞が生き延びて、がんという病気に至り、またがん細胞は様々な手段で免疫を抑制し、その働きにブレーキをかけているからです。
免疫チェックポイント阻害剤は真打たりえない
近年、注目されたのは従来の抗がん剤とは異なり、がん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを解除するという作用機序の免疫チェックポイント阻害剤です。しかし、免疫チェックポイント阻害剤がブレーキを解除するのは、免疫細胞の中でも主役とはいえないT細胞であり、免疫抑制のほんの一部を打ち破るに過ぎません。従来の抗がん剤が効かなくなった患者に使用出来るため、中には劇的に効いた例はありますが、免疫療法の真打とはいい難いでしょう。
CAR-Tは免疫細胞療法の一種
その他、免疫を活性化する薬、患者の体外で免疫細胞を強化して戻す免疫細胞療法などがありますが、これまで国内では保険適応でなかった免疫細胞療法が、はじめて承認申請を行いました。昨年、米国で承認され、5000万円を超える高額な費用で話題になったCAR-T(キムリア)の承認申請が出されたのです。CAR-Tは患者のT細胞を遺伝子改変し、攻撃性を高めた上で培養し、体内に戻します。遺伝子を操作するとか、費用が莫大だとかで、話題を作っていますが、免疫細胞療法という面でも注目すべきでしょう。
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