星野仙一さんが膵臓がんで亡くなりました。膵臓がんはいろいろながんの中でも最も厄介だいわれます。
膵臓がんの5年相対生存率は1割未満
プロ野球の楽天、阪神、中日で監督を務め、いずれも優勝へと導いた星野仙一さんが、先日、亡くなりました。まだ70歳と若かった星野さんの命を奪ったのは、がんの中でも最も厄介といわれる膵臓がんでした。膵臓がんは、5年相対生存率が全症例で10%を下回ります。ステージ別で見ても、ステージ1で41.2%、ステージ2で18.3%、ステージ3で6.1%、ステージ4で1.4%。他の様々ながんと比べても、飛び抜けて悪い数字が並びます。
自覚症状がないので発見が遅れがち
では、なぜ膵臓がんは生存率が低いのでしょうか。がんは早期発見、早期治療が何よりの対処となりますが、膵臓がんは初期のうちは自覚症状が少なく、これといった検査の手段がないため、どうしても発見が遅れがちになります。膵臓は様々な臓器の密集したところにあり、浸潤や転移がしやすく、一番の治療手段である手術が出来ない場合も多くなります。仮に手術が出来たとしても、膵臓がんの手術は消火器の手術の中でも困難なことで知られています。大がかりな手術で患者への負担が大きく、さらにはがんを取り切れずに、再発や転移を招くことが多いのです。
膵臓がんになったら標準治療だけでは不十分
ステージ1でも4割強の5年相対生存率。ステージ2でも2割以下。標準治療を決められた通りに受けた結果は、かなり厳しい数字です。膵臓がんと診断されたら、進行の度合いに関係なく標準治療以外の選択肢も治療に加える必要があります。医療保険の充実している我が国では、病気になったら保険証を持って医療機関に行くのが当たり前のことですが、がんに限ってはそれでは不十分だということです。
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