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2017-10-18

光免疫療法、頭頚部がんへの治験で効果を確認

副作用が少なく、がん細胞を狙い撃ち出来るということで話題になっている光免疫療法。米国では治験が行われていますが、その最初の治験で頭頚部がんに対して効果が確認されました。

赤外線で色素を発熱させ、がん細胞を破壊
患部に光(近赤外線)を当てて、がんを治すという話題の光免疫療法。がん細胞に特有の蛋白質に集まる抗体と、近赤外線に反応して発熱する色素を結合させて投与した後に、近赤外線を照射し、その熱でがん細胞だけを破壊します。発熱する色素はがん細胞に集中するので、正常細胞には影響を与えず、がん細胞だけを狙い撃ちに出来ることや、手術や抗がん剤など既存の標準治療が効かなくなった患者にも有効だということで、注目を集めていました。

9人のうち、3人が、がんが消失し、1年後も生存
米国では治験が行われていますが、ラッシュ大学などで行われた最初の治験の結果が発表されました。手術や放射線、抗がん剤では治療出来ないと判断された頭頚部がんの患者9人が参加し、薬剤量を絞り、近赤外線の照射を1回だけ行いました。途中で止めた1名を除く8人を、1か月間、経過観察した結果、3人はがんが消失し、1年後の現在も生存。残りの5人のうち、4人はがんが縮小、1人はがんの大きさは変わらず、いずれも半年のうちに亡くなっています。他に治療の手段がなくなった9人のうちの3人が、がんが消えたというのは、既存のいろいろな治療と比較しても、かなり大きな成果といえます。色素をがん細胞に集中させるための抗体に依存する治療ではありますが、抗体が適合するなら、進行がんの患者にとって有効な治療のひとつとなります。日本でも年度内の治験開始に向けて検討が行われています。

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