改正がん対策基本法でも触れられたように、がん患者の雇用は大きな問題です。東京都では企業ががん患者を雇用したり、雇用を継続したりしやすいよう、助成金の支給を行っています。
中小企業の多くは患者を雇用する余裕がない
就労世代のがんが増える中、がん患者の雇用は企業と労働者双方にとって大きな問題です。昨年、改正されたがん対策基本法では、企業に対してがん患者の雇用継続を求めていますが、大手企業はともかく、国内法人の大半を占める中小企業の多くでは難しいというのが正直なところではないでしょうか。企業にとって人材は大切な経営資源です。スキルや信頼のある従業員は何としても雇用を継続したいところですが、治療が長引くような場合にはなかなかそれが出来ないわけです。
がん患者の雇用、がんになった従業員の復職で助成金が
法律が改正されても、現実的な施策が伴わなければ、役には立ちません。そんな中、東京都では平成29年度から企業ががん患者を雇用することに対して、助成を行っています。国と都が指定する難病やがん患者を半年以上、雇用した場合、労働時間に応じて40万~60万円を、発症後に休んだ従業員の復職を支援し、復職後の半年以上、雇用した場合、30万円を助成金として支給します。患者にとって病気や治療はもちろん、仕事や経済的なことはさらに不安の種になりがち。このような具体的な行政の取り組みは企業、患者双方の支援となることでしょう。