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2017-05-15

東芝が重粒子線治療装置の小型化に成功

経営再建中の東芝ですががん治療の分野では明るいニュースが入ってきました。大型であることがネックで導入が進まない重粒子線治療の装置を小型化することに成功しました。

電磁石の配置を見直し、従来の3分の2程度の大きさに
不適切な会計処理、そして巨額の赤字が問題になっている東芝ですが、がんの先端医療開発においては喜ぶべき成果を上げています。重粒子線治療は、任意の部分で放射線量を最大に出来るため、患部をピンポイントで叩くことが可能です。従来のX線などよりも患者への負担が少ないというメリットがあります。しかし、装置が高額であることに加えて大型であることが、医療機関への導入が進まない一因でした。装置は患者の周囲を囲むような構造をしていますが、東芝では電磁石の配置を見直し、従来は患部まで9mの距離が必要だったところ、3.5mにまで縮め、装置を3分の2程度の大きさにしたのです。

医療部門からほぼ撤退しても、重粒子線治療の事業は継続
東芝は経営再建のため、子会社や事業の売却を進めていますが、医療部門からはほぼ撤退することとなり、優良子会社であった東芝メディカルシステムズもキヤノンの傘下となっています。しかし、この重粒子線治療の事業だけは継続しています。東芝の経営が揺らいでいる元凶のひとつは、米国の原子力事業での巨額の損失ですが、深い関わりのある重粒子線治療に関しては、その技術を高く評価されており、今後、国内だけでなく海外での需要も見込まれています。

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