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2016-10-17

がん撲滅サミット、患者団体の抗議で内容を変更

doctor hands holding card sign with Ask your Doctor text message
間もなく開催されるがん撲滅サミットの内容に対して、科学的根拠の十分でない治療が紹介されるとして、卵巣がんの患者団体が変更を求めました。結果、登壇者や内容は変更になっています。 

患者団体が科学的根拠が十分でないと抗議
第54回日本癌治療学会学術集会が10月20日から横浜で開催されます。その共催企画である市民向け公開講座「がん撲滅サミット2016」において複数のがん治療医が参加者の質問に回答する公開セカンドオピニオンというセッションが予定されています。この内容に対して卵巣がんの患者団体が、科学的根拠が十分でない治療が紹介される懸念があるとして、主催者に内容を見直しを求めました。結果、登壇者や内容が変更になり、要望を受け入れた形になっています。

登壇者の自由診療を「インチキまがい」と糾弾
患者団体が問題としたのは、登壇予定であった医師が行っている低用量抗がん剤治療や自家製がんワクチン治療など、標準治療から外れる治療でした。これらを「インチキまがい」と糾弾しています。確かに自由診療で提供されるがん治療には、根拠に乏しく、実績にも乏しい治療が多いことは事実です。とはいえ、なぜそういった治療が後を絶たないかといえば、標準治療に限界があり、手の施しようがなくなれば、緩和ケアを行うしかないという現実があります。今回、登壇予定であった医師や治療については、その根拠や効果を論じることは控えますが、自由診療として提供されるがん治療には、いい加減な治療もあれば、真っ当に研究・開発されている治療もあります。問題とされた治療がどうであれ、今回のような出来事が標準治療以外の一切を否定するような方向にならないことを願うばかりです。

健康保険が適用されるまでの長い道程
日本の医療はエビデンス至上主義であり、治験を経て承認、そして健康保険の適用となって、真っ当な治療と認められる風潮があります。しかし、標準治療には限界があることは明らかです。また、治験から健康保険の適用までにどれだけの時間と費用がかかるかをご存知でしょうか。将来の健康保険適用を踏まえた先進医療に指定された重粒子線治療などは、既に30年以上も行われ、いまだに健康保険の適用にはなっていません。

医師にとことん質問してみること
何が治る治療なのか、医師や国のお墨付きだけに頼らず、自分で選ぶことが大切です。そのためには自由診療の医師にはとことん尋ねてみることをお勧めします。どういう根拠で効くのか、実績はどうなのか、自分が受けた際の見通しはどうなのか……。当方では代替医療から先端医療と称する数多くの治療を取材してきましたが、真っ当な治療であれば、質問にはとことん答えてくれるのではないでしょうか。専門家ではなくても理解が出来るよう明解に説明してもらえると思います。逆にいえば、それすらも覚束ない治療が数多くあるということです。

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